場内散歩 ローズガーデン&けやき並木編
東京競馬場の中庭には憩いの広場が幾つかあります。
府中競馬正門前駅から専用通路を通って競馬場に入る人は見過ごしてしまう場所にあります。
だからこそ競馬の喧騒から隔てられた憩いの場になっているのかもしれません。
ローズガーデンとけやき並木はスタンドの裏手(コースの反対)側にあります。専用渡り廊下をスタンドに向かって歩けば左側に見えます。
東京競馬場 ローズガーデン編
ああ、ここの事ね。と思われた方は結構いらっしゃると思います。画像奥に見える府中競馬正門前駅からスタンドに続く専用通路から見えるあの公園の事です。
水路の中央には等間隔でバラ(には見えないがローズガーデンという庭だからおそらくバラと思われる花)が飾られています。
その緩やかな水の流れと植物の巧みな使い方から、小さなアルハンブラ宮殿にも見えます。
水路の終点には水の女神のようなブロンズ像が佇んでいます。
このブロンズ像はバラの精というタイトルが付いていて、日展評議員・大須賀力という大先生が1957年に完成させた作品だそうです。思っていたより古いもので驚きました。メモリアルスタンドより年季が入っているのでは。
冬場で植物が枯れてしまっている時に撮影したのが何とも残念です。どんな花が咲くのか。そしてどのような美しさになるのか楽しみですね。
東京競馬場 けやき並木編
競馬をされる方なら東京競馬場の3コーナー奥に大欅(おおけやき)が植わっているのをご存知でしょう。あの欅(けやき)は存在感がありますからね。
中庭にあるけやき並木も、あのコース内に植わっているけやきにあやかって造られたのではないでしょうか。
東京競馬場の大欅は、その昔この地の有力者であった井田摂津守是政の墓がある場所の近くに立っている場所で、はじめは競馬場建設に当たり大欅の伐採と是政の墓地を移転する話があったそうです。
しかし、大欅付近の木を切った人間が急死したり、是政の墓地を移転しようと発案した人も病死したりと怪現象が相次いだそうです。
これは是政の祟りであると恐れられ、大欅と是政の墓はそのままにして東京競馬場が作られたというエピソードがあります。
府中の大欅は風情を楽しむよりも怨念を怖がった結果としての名所だったのです。
さて、そのようなエピソードとは無縁ののどかさがある中庭のけやき並木です。
並木道の脇には歴代の日本ダービー馬の写真が飾られています。さすが日本ダービーが行われる唯一の競馬場ですね。
おや?
この勝負服とヘルメットのカラーはキズナ優勝時の格好です。ということは武豊騎手ということなんでしょうが全然似ていません。
西洋人のような顔つきです。おそらく既製品を勝負服だけキズナ仕様にしたと思われます。
京都競馬場のパドックに突っ立っている人形と同じメーカーかな?
けやき並木から少し外れた所にあるのが、知る人ぞ知る親子馬像です。
「おやこばぞう」を漢字変換したら一発で「親子馬像」と出るので、私が思っているよりも知名度は高いのかも。
この親子馬像ですが、「牧場への道」という題で元帝展審査員池田勇八先生の晩年の苦心作で1958年夏に完成されたものであります。ローズガーデンにあるブロンズ像と並び歴史のある像であります。
そしてこちらは東京競馬場のGⅠレースで活躍したウオッカの像です。仕掛中なのか地面にはビニールの養生がされています。
親子馬像と違ってこちらは最近完成した(する)模様。ウオッカの後も、東京競馬場を沸かせた馬が次々と並べられるのでしょうか。
それにしてもフジビュースタンドのウオッカ像といい、やたらウオッカを推しますな東京競馬場は。