大井の帝王 的場文男
大井競馬場の紹介ページに載せるべきか迷ったのですが、的場文男さんはやはり大井競馬の重要な見どころであると判断し、1つのページを設けることにしました。
大井競馬を見に行った時に思った事、感じた事を気楽な感じで綴っています。
的場文男
生年月日 1956/9/7
血液型 A型
出身地 福岡県大川市
タイトル 地方競馬全国リーディング 2002年、2003年
大井競馬リーディング 21回
主な勝ち鞍 帝王賞、東京大賞典、東京盃、羽田盃、ほか多数。
勝負服 赤、胴白星ちらし
上の画像に写る看板は2015年ワールドオールスタージョッキーズの予選に相当するスーパージョキーズトライアルのイベントにて展示してあったものです。
的場文男さんの馬を先行させる技術は今も健在です。
道中の位置取りも巧みで、気が付けば4コーナーでは勝ち負けになるポジションに位置取っています。
最後の直線では井戸のポンプのように体を上下させて馬を踏ん張らせる魔術のような技術もまだまだ威力十分です。
的場文男さんのファンは、その動きを「フミオダンス(Fumio Dance)」と親しみと敬意をこめて呼んでいます。
大井競馬では、的場文男さんが直線でライバル馬との叩き合いが始まると、待ってましたとばかりに場内がワッと盛り上がります。
まさに大井競馬場の舞台で輝く千両役者です。
その千両役者の放つ魅力とは何か。
私は的場騎手が持つ、ヒーロー性ではないかと思っています。
ここでいうヒーロー性とは、かつてのドラマ・芝居でよくあった、終盤で悪を倒す一発逆転の必殺技です。
的場文さんが持つ必殺技というのは、勿論あのフミオダンスの事です。
最後の直線で的場騎手がフミオダンスを披露して勝利する姿は、正義のヒーローが最後に悪を倒して勝利する構図と重なるのです。
(注)他の騎手=悪、というわけでは決してない。
大井競馬に初めて挑戦される場合はまず専門誌に目を通し「的場文」の文字を見つけその馬の馬券を買ってみる事をお勧めします。
お金で買えない熱狂を楽しめますよ。
日本経済新聞に的場文男さんの記事が掲載されました。
画像を拡大していただければ記事を読むことはできますが、画像の下に記事の要旨を載せています。
よろしければご覧ください。
「ダービー」に34回も負け続けている騎手がいる。
東京・大井競馬場所属の的場文男(58)は、来年9月で還暦。
中央、地方を通じ現役騎手で3番目の高齢だ。
【中略】
的場の東京ダービー初騎乗は1979年。
以後、乗らなかったのは3回だけ。
92年からは24年連続で参戦し、昨年までに2着8回。
今年の騎乗馬はパーティーメーカー(浦和・小久保厩舎)。
43歳の小久保は2012年から3年連続で南関東最多勝を達成している。
今回は3頭を送り、
「南関東の至宝にダービーを」
という強い思いがあった。
的場の方は1週前、誤って切ったくるぶしに雑菌が入り炎症。
点滴と鎮痛剤で症状を抑えて辛くも参戦してきた。
午後8時10分。ゲートが開いた。
16頭中16番枠の的場は勢いをつけ、馬を8番手に導いた。
速い流れのレースは、3コーナー付近で先行馬が失速し、小久保厩舎のラッキープリンス(今野忠成騎乗)が一気に先頭に。
的場が馬上で踊るように激しく動くと、反応の遅かったパーティーメーカーのエンジンがやっと点火。
鬼気迫る追い込みに観衆は沸いたが、3/4馬身差に追い詰めたところがゴール。
9度目の2着だ。
砂まみれの顔で戻ってきた的場は
「また2着だよ」
と何度も繰り返す。
勝った今野(38)は、
「的場さんゴメン」。
先に検量室に戻っていた今は中央所属の内田博幸(44=元大井)が
「まだ辞めるなってことだよ」
と混ぜっ返す。
顔の砂を洗いもせず、取り囲んだ取材陣に的場は
「これは人生の宿題。死ぬまでにはできないかもしれないけど」。
小久保はゴール前、机をたたいて的場の名を叫んでいた。
レース後は、
「的場さんにはラッキープリンス騎乗を勧めていた」
と複雑な表情で打ち明けた。
【以下略】
情報元:日本経済新聞2015年6月29日夕刊 駆ける魂 より