場内散歩
川崎競馬場はコース内に広大な駐車場スペースがあり、車で来場した客は内馬場から入場するという珍しい形態をとります。
内馬場の長閑さは東京競馬場の馬場内と互角以上です。
暑さも和らいできた秋口は絶好の川崎スパーキングナイター日和です。
日の入りとともに涼しさが増し、秋の訪れを確かめながら自分の予想を馬券に託す。川崎競馬の醍醐味です。
川崎競馬場の隣には川崎競輪場があり、さらには近鉄バッファローズとの10.19決戦があった川崎球場もすぐそこです。
地方競馬、競輪、パ・リーグ。日当たり良好とは言い難いがファンの心を掴んで離さない素敵な娯楽たち。その中の1つ川崎競馬場をご紹介します。
川崎競馬場の駐車場は馬場内にあり、地下道を通って入場します。
駐車場からスタンドまで結構歩かなければなりませんが、その道中に公園と馬券売り場があって、スタンドまで行くのが面倒な競馬ファンはそこで競馬を楽しむことができます。
入り口をくぐると美しい芝生の広場が広がっていて、そこで寝転がるだけでも十分価値のある時間を過ごせます。上の画像のように芝生広場の脇に投票所があり、目当てのレースになれば投票所へ行き馬券を買い、後は芝生でゴロゴロと過ごすことも可能です。
子供向け遊具も設置されていて純粋に公園として楽しむことも可能です。ジャングルジムのような遊具は内馬場に2個所設置されています。
駐車場側の入場門を入ると内馬場に直結していて、入ってすぐ目に飛び込むのは巨大スクリーンとクッション性抜群の芝生です。
巨大スクリーンはスーパーフロンテックヴィジョンといいます。
スーパーフロンテックヴィジョン(Super Frontech Vision)は、3in1チップタイプという赤・緑・青の三原色LEDをひとつにまとめて発色性の良さを高め、遠近どこからでも視聴可能なスクリーンです。
消費電力も以前のパネルより50%削減できる省エネタイプで、川崎競馬場以外では船橋競馬場と浦和競馬場で採用されています。
川崎競馬場のスクリーンはドバイのメイダン競馬場に抜かれるまでは世界一の画面サイズを誇っていました。
川崎競馬場は背景がURの集合住宅で、その前にデンとそびえたつ独特の存在感は異質です。
次に芝生ですが、川崎競馬場の管理運営は株式会社よみうりランドが請け負っていて、よみうりランドが同じく管理運営しているゴルフ場の芝生で培ったノウハウが生かされています。
そのため抜群のクッション性を誇り、子供と一緒に走り回りたくなるような素晴らしいコンディションです。
(※ボール遊びはじめ他のお客さんの迷惑になる行為は禁じられています。)
緑豊かな公園の中に売店と馬券売り場。
競馬好きにとっては理想郷に近い施設が揃っています。
川崎競馬場はJRAの場外馬券売場にもなっているので、後ろに見えるURの賃貸住宅・コンフォール川崎富士見に住めば365日競馬漬けの生活が送れます。
家賃は1K92,200円から3LDK+S201,700円までの間です。(2013年11月時点の情報です。)
川崎競馬場の内馬場にはスタンドの充実度には及びませんが、軽食を楽しめる売店があります。またバーベキューを楽しむ空間もあり、馬券を買いつつ他のイベントも楽しむ贅沢な過ごし方も可能です。
2016年川崎競馬場で行われるJBC競走に合わせて内馬場が改装されました。上が改装前の投票所で下が改装後の投票所です。
ご覧のように投票所に風除壁が取り付けられ、冬場の寒さと横から吹き付ける雨に強い投票所になりました。
さらにこれまでは具合の悪そうな方が横になっている場所というイメージのあった休憩所がキッズルームにリニューアルされました。
これまでも十分清潔感のあった川崎競馬場の内馬場が、ご覧の通り公営ギャンブルを忌避している層にも馴染みやすい施設へ更に進化しました。
公営ギャンブルと一般市民が溶け込む空間という難問を着々と解いていく川崎競馬場関係者の能力の高さに関心します。
照明がポツ、ポツ、と場内を照らし始めたらスパーキングナイターは中盤戦あたり。
モニターを見つめオッズを確かめたら、マークシートに狙いを定めた番号を真っ黒に塗りつぶし、自動販売機で馬券を買って、発走までワクワクして待つ。
競馬ファンにとってたまらないひと時が平日の夜川崎で楽しめます。
日が完全に沈むと照明が爛々と輝き、これぞスパーキングナイターという景色に変わります。
1コーナーからスタンドを臨む。中央競馬ではまず見られないアングルです。どこかメイダン競馬場を思わせなくもないような。
内馬場とメインスタンドは地下道でつながっています。地下道を抜ければそこは雪國ではなく殺伐とした・・・、さてどうでしょうか?
殺伐どころか長閑です。
さてここからは、一旦このページを離れてグルメ王国川崎競馬場のグルメをご紹介してまいります。
取り上げたお店の食事は一品以上食べています。
もちろん1回ですべて制覇できるボリュームではありませんので1年かけて食べていきました。
※通い詰めればもっと短期間で制覇できます。
内馬場そして1号スタンドをくぐると川崎競馬場の正門前へ出ます。京急を使って来場した場合はこの景色がはじめに飛び込んできます。
画像の右側にパドックがあり、パドックは1,2階どちらからも見ることができます。1階は混雑するので、人混みを避けたい場合はエスカレーターを利用して2階へ上がるのが良いと思います。
逆光で何が映っているか分かりにくくなっています。画像左側が1号スタンドで右側にパドックが映っています。
まずは1号スタンド1階の様子をご紹介します。
隣の商業施設との調和を図るために、床に緑の塗装が施されていますが、基本的に昔の川崎競馬場の状態が維持されています。
公営ギャンブル場らしさが充満するエリアです。
1号スタンドの2階は万券通りという素敵なストリートとパドック観覧エリアがあります。万券通りについては川崎競馬場グルメ特集後編にて紹介しています。
2階パドック観覧エリアをご覧ください。
モダンな造りのデッキから覗き込む形でパドックを見ることができます。といってもこれは来賓専用のテラスとなっていて一般のファンは利用できません。
階段4,5段だけ一般より高くなっているという、プレミアム感を抑えた来賓専用パドックテラスでした。
一般エリアからの眺めです。何の不自由なくパドックを見ることができます。
馬を間近で見たい方は電光掲示板の真下辺りの観覧エリアで観戦してみてはいかがでしょうか。
これから勝負に向かうサラブレッドとジョッキーの緊張感が伝わってきます。もちろんフラッシュ撮影は禁止で、観戦マナーを守らなければなりません。
写真でお分かりのようにパドックの直ぐ裏側には産業道路が通り、川崎競馬場の敷地はとても薄型の形状になっています。
敷地は薄くても食事処は濃厚。川崎競馬場は何度通っても飽きません。
1号スタンドのコース側にはレース観戦エリアがあります。2階にいても鞭の音やジョッキーの声が聞こえます。
座席数は決して多いといえないので、何が何でもこの位置を押さえたいというファンは早めに来場されることをお勧めします。
早く着き過ぎてしまっても、料理は美味しいし万券通りもありますし退屈することは無いでしょう。