京都競馬場 場内散歩 スタンド、直線、ゴール前編
京都競馬場現地観戦の醍醐味は最後の直線の攻防です。
西日を背に受けてゴールを目指すサラブレッドの迫力は何度も現地で味わいたい美しさです。
京都競馬場の名物は3コーナーの坂です。
昔の競馬雑誌で、京都の坂はゆっくり上ってゆっくり下るのが鉄則であると読んだことがあります。
現地へ行けば京都の坂の勾配を肉眼で確認することができます。
京都競馬場の広い4コーナーは、阪神競馬場が改修するまでは西日本屈指のスケールを誇っていました。
画像右寄り奥に見えるのは2,400メートルのスタート地点です。
距離短縮前のエリザベス女王杯、京都大賞典、ハンデ戦時代の京都記念、ドンカスターステークス、幾多の名勝負がここから始まりました。
西日を受けながら4コーナーを周り、最後の直線に向くサラブレッドの姿は秋のG1シリーズ恒例の名場面です。
最後の直線の追い比べは競馬現地観戦のハイライトなので面白いのは間違いないのですが、その少し前から馬の動向を見ていると競馬観戦の面白さが増します。
上の画像のようにスタンドの高い場所で観戦すれば3コーナー手前から馬群を確かめられます。
大逃げを打った馬がいるレースはスタンドの高い位置から見ていると、そのリードが分かって面白いです。
この景色に似たようなものは東京競馬場にも似たような景色が広がりますが、東京競馬場と決定的に違うのは内馬場の有無です。
東京競馬場は馬場の内側で食事をしたりのどかな時間を過ごしたりと楽しめますが、京都競馬場は池で白鳥が楽しんでいます。
分かりづらいですが池を白鳥が泳いでいます。
京都競馬場の白鳥ですが、実は勝手に住み着いたのではありません。
JRAがお金を出して白鳥を買い、競馬場内で飼育しようとしたのが始まりです。
はじめは16羽しかいなかった白鳥でしたが、気が付けば3桁を超えるまでに増えたそうです。
東京、中山、大井、川崎のように内馬場を客に開放するスタイルに慣れてしまうと、京都ほどの大きな競馬場で内馬場を使わない手は無いと余計な想像をしてしまう・・・。
たとえば、浄土式庭園を内馬場に作ってしまうのはどうでしょう。
浄土式庭園は大きな池に蓮と中島を浮かべ、西側に阿弥陀堂を建てる様式の庭園で、京都競馬場はそれを作る条件が整っています。
向こう正面の遥か先には平等院鳳凰堂がありますし、いとをかしな感じになりそうですが。
新潟競馬場にあるような芝生観戦エリアがあります。
ゆくゆくはJRAのすべての競馬場でこのような芝生観戦エリアが設けられるのでしょうね。ひょっとしたら既にそうなっているかもしれませんが。
さて直線前の観戦エリアに立つと昔の思い出が蘇ります(n回目)。
思い出すのは1997年4月27日の天皇賞春。現役トップクラスの実力を誇る人馬、サクラローレル横山典弘、マーベラスサンデー武豊、マヤノトップガン田原成貴、がそれぞれの陣営の思いを背負って激突したレースです。
あの日は異常なまでに人が詰めかけていて、その影響なのか準メイン競走の発走時間辺りから人々の高揚感が伝播したのか、競馬場の空気自体が高揚し出す感覚を覚えました。
そしてザ・チャンピオンが鳴り響き、本日の主役たちの入場が始まる瞬間、文字で表せない歓声が上がり、その歓声に体内の血流を持っていかれる感覚に陥りました。
私の中で最も競馬場のテンションが高かったと思う場面は、この天皇賞春の本馬場入場です。オールドファンはアイネスフウジンのナカノコールを挙げる人が多いようです。
今の若い競馬ファンも競馬場のハイテンションを体験できればいいですね。