場内散歩その3
場内散歩その3では大井競馬場3号スタンド、4号スタンドの様子などを紹介していきます。
L-WINGと異なり、地方競馬らしさが結構残っているエリアです。昭和のたたずまいを味わいながら馬券活動をするならうってつけの場所です。
3号スタンド
L-WINGを紹介した後は3号スタンドへ移ってみたいと思います。
え?Lの次は3号って何か飛ばしてないか?
そう疑問に思われる方もいらっしゃることでしょう。大井競馬場のスタンドは2014年下半期現在で、L-WING、3号スタンド、4号スタンドの3つのスタンドが稼働しています。1号スタンドはL-WINGに替わり、2号スタンドは改装中です。
3号スタンドと4号スタンドはいまだ昭和時代の建物を使っているのでレトロな趣があります。
モダン、アーバンを好む競馬ファンはちょっと近寄りがたい小汚さはありますが、この枯れ具合はそれなりに味がついています。
低い天井は古い競馬場のトレードマークです。ファンが歩き倒して本来の赤色が変色してしまった床面。そして壁面、照明設備と平成生まれの建物では考えられないクラシカルな趣に満ちています。
これを時代遅れと一言で片づけるのでは情緒が無い。愛すべき時代遅れと言える味わいが漂う空間です。
3号スタンドの観戦エリアは一昔前の野球場の外野席を思わせます。消化試合をビールを飲みながら見つめているようなノンビリした空間です。
肩ひじ張らずに楽しむ。東京暮らしをしていると意外とできないものです。
大井競馬場の3号スタンドには力加減を心得たベテランファンが沢山いらしゃるので、競馬の楽しみ方の参考になります。
現地観戦をする場合は、中継映像が映さない大敗した馬にも注目しています。
大敗した馬のゴールする瞬間はとても寂しい。
有力馬は遥か前方でゴールし、客はその勝負の余韻と馬券の帰趨に意識が向かっているので、誰も注目していない中でゴールするからです。
会社本体の主流路線から外れ、本業のどこに役立つのか分からない資料を作り、働いても働いても決して誉められることはない。それでもひょっとしたら誰かに感謝されるかもしれないという一筋の希望さえもはや持つことの無い日々の中で、心だけは決して腐らせぬようにと歯を食いしばり今日も働く。
人間にたとえたらそういう状況かもしれません。
いつ馬主に見切りを付けられるか分からない競走馬が、文字通り生きるために精一杯走っている姿を見ると、馬券の当たりハズレでカリカリすることがなくなります。
4号スタンド
大井競馬場の4号スタンドは1600mのスタート地点を観るだけでなく、「大井」の飯を食らう場所でもあります。
お金のある人はダイアモンドターンへ行って食事を採り、ちょっとお金に余裕のある人は2Fでラーメンをすすり、管理人のように素寒貧の人は1階の幸福堂やびっぐうぇーぶで心温まるB級グルメに舌鼓を打つ。資本主義の縮図です。
4号スタンドは資本主義である。
というわけで4号スタンドの場内散歩の内容は大井競馬場グルメ特集その3にも載っていますので、そちらもご覧ください。
こんなところにもクレーンゲームが置いてあります。クレーンゲーム業者が金持ちの東京都競馬に売りつけた可能性が考えられます。
まるいクッションと高さの合っていない立食用テーブル。どうくつろげば良いのか分かりにくいスポットは4号スタンドの2階にあります。
大井競馬場の端っこ、かつ有料席の後方のスペースで無料客が立入りにくい場所なので人がほとんどいません。不思議エリアとして一度立ち寄ってみませんか。
屋外観戦エリアからではなく、パドック、うまたせハウス、総合案内所から4号スタンドへ直進するとたどり着ける馬券売り場です。
平成初期のWINSのような懐かしい雰囲気が味わえます。幸福堂の向かいにある馬券売り場は静かですが、こちらの売り場はそこそこ賑わっています。
3号スタンドと4号スタンドの前にて、プロの予想師達が小間でプロの予想を披露中。
独特の言い回しで競馬ファンを引き込み、常に人だかりができている状態です。
プロの予想師さんも高齢化が進んでいそうで、このまま自然消滅となるのでしょうか。プロの予想業は昭和の景色の中で終わらせることなく、次世代につなげてほしい文化的職業です。